6月に生まれたばかり。キラキラした大きな瞳が可愛くて、全国からムクを見るためにやってくる子どもたちも多かった。油夫集落の飼育担当の方々も、日よけを作ったり水を撒いたりしてきたが、今年の猛暑には勝てなかった。

アルパカ担当として、ムクの埋葬や法要、そのあと集団でやってくるだろう報道への対応。悲しくて切ないのに、青木氏は気丈にふるまわなければならない。電話口では、いつもの強気の声音はなかった。
生まれたばかりのムクは、厚い毛をまとったままだし、子供ということで体力もなかったのだろう。本当に可愛かったあの瞳を思い出すと、胸が苦しく、残念でならない。油夫集落のおぱあちゃんたちも、自分の子供や孫のように可愛がっていたために、悲しみでいっぱいだ。
短い間だったけど、みんなに元気をくれてありがとう、ムク。ゆっくり休んでください。